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名物写し 児手柏康継 (葵紋)以南蛮鉄於武州江戸越前康継(初代)
(Aoi Seal)Echizen Yasutsugu with Nanbantetsu at Edo (First Generation)

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Token

名物写し 児手柏康継 (葵紋)以南蛮鉄於武州江戸越前康継(初代)(Aoi Seal)Echizen Yasutsugu with Nanbantetsu at Edo (First Generation)
  • 銘文:(葵紋)以南蛮鉄於武州江戸越前康継(初代)
  • Sign:(Aoi Seal)Echizen Yasutsugu with Nanbantetsu at Edo (First Generation)
  • 種別:拵付脇差 Wakizashi and Mounting
  • 寸法:1尺3寸8分半(41.9cm)反り1.0cm 元幅3.3cm 先幅2.8cm 元重0.8cm
  • 時代:江戸時代初期ー越前国(福井県)
  • 価格:御売約済み Sold Out

江戸時代、徳川将軍家の御抱工として天下に名を馳せた名工、初代越前康継の作品。
初代康継は近江国坂田郡下坂郷の出身で、のち越前に移住、結城秀康に見出され、初期には、「肥後大掾下坂」と銘していたが、後に江戸に召され、家康・秀忠両将軍の前で鍛刀し、その賞として葵紋及び「康」の一字を賜り名を康継と改めた誉れ高い名工である。彼は大阪落城の折に消失した太閤御物の多くを再刃し、様々な名物の写しを制作するなどの功績を残し、その名跡は11代の長きに渡って徳川家に仕えた。その作風は浅いのたれに互の目を交え、沸つき、金筋・砂流しがかかるなど、相州伝と美濃伝の流れを受けており、また彼の特徴として南蛮鉄を用いたと明記している事があげられ、当時としては特殊な鍛法を試みることが出来たのも徳川家の厚遇あってのことであろう。
本作は身幅広く、重ね厚く、大切先の慶長新刀然とした豪壮な体配に、地鉄、板目肌に小杢を交え、所々に流れ肌あり、地沸厚くつき、地景入る。刃文は表は焼の高い広直刃調に、裏は互の目に丁字を交えて華やかに乱れ、共に沸厚くつき、砂流し・金筋を交えて明るく冴えている。彼は徳川家所蔵の古名刀の写し物を多く手掛けて成功しており、本作は「包永 号児手柏」と名付けらた名物の意匠を持った作品で「児手柏康継」と名付けられている。児手柏とは刃文の形が表裏異なっている事を指し、万葉集の消奈行文の歌に「奈良山の児手柏の両面に かにもかくにもねじけびとのとも」とあるものから採ったものである。その本歌は元細川幽斎の指料で、後に徳川家康に送った「享保名物帳」所載、鎌倉時代大和国の刀工、包永の太刀にやはり表裏の刃文が全く異なるものがある、一説には刃文が表裏揃っている場合、乱れの大きな部分から折れる恐れがあり、表裏が食い違っているとその恐れが無いとの利点があるという。初代康継、名物写しの大変貴重な名品である。
佐藤寒山博士鞘書
「 初代児手柏康継 地刃見事 刃長壱尺参寸八分半有之 山田国手秘蔵之一 昭和 六年盛夏吉日 寒山誌素(花押)」
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