- No.:B116
- 紫檀地竹虎透雲竜彫三本掛刀掛
- Sword Stand for three Banboo Tiger Dragon Cloud
- 江戸時代後期 19th Century
- 価格:御売約 Sold Out
本作は江戸時代後期の作と鑑せられる紫檀地の三本掛刀掛で、背板には竹林の中で今にも襲いかからんとする2匹の虎を配し、重厚で肉感たっぷりに表された虎と大樹に比べ、竹林はすらりと細身で、一枚一枚を丁寧に彫り上げられた竹の葉は実に繊細に仕上げられている。胴体部には画面一杯に雲竜の図を彫り上げ、引き締まった龍の表情は迫力に満ち、混然とした雲海との調和が見事である。下部に2つの引出しを備えており、内側は金粉を密に敷いた金梨子地に塗り上げられ、取手は赤銅製に金象嵌を施すなど要所に手の込んだ作りとなっている。各部に数種類の異なった木材を使用し、念密に組上げられた杢目の表情は見事に調和した作域を醸し出している。江戸時代に制作された名品の刀掛では金梨子地に蒔絵を配した作品などがまま見られるが、木彫の刀掛でこれほどの完成度を示した作品は非常に稀である。現代に残る時代物刀掛の名品中、傑出した作域と貫禄を備えた優品である。