鑑定書内容:鑑定書 :(財)日本美術刀剣保存協会 保存刀装具
Certificate:NBTHK Hozon Paper
- No.:B115
- 鐔 千疋猿透
銘 肥州矢上住光広 宣徳金ヲ以作之 - Tsuba Senbiki saru design
Maker Hishu Yagami jyu Mitsuhiro by Sentokugane - 江戸時代後期 18th Centry
- 価格:御売約 Sold Out
- 公益財団法人 平成28年新春展覧会出品作品
江戸時代後期、肥前国に於いて活躍した鐔工、矢上光広の作品。
矢上光広は初代から三代迄存在が知られており、初代光広は天明元年(1781年に)に65歳でなくなり、二代は初代の弟で、江戸に出て南條家で修行したのち、二代目を継いだ。その後初代嫡子雄二郎が三代目を継いでいる。その作風は古来有名な「矢上の千疋猿」に代表される、感心させられる程に見事な細密工芸で独特な透鐔を制作している。本作は同家のお家芸とも云える千疋猿の意匠で、数々の姿態の猿をよくもこれほどまでに細かく彫ったものだとつくづく感心させられる。特筆すべきは銘文にあるとおり「宣徳金」(宣徳とは真鍮のことで、もともと日本には存在しなかったが中国の宣徳年間(1426年1435年)に我が国に輸入され、高価な金属であった)を用いた作品であることで、ゆえに彫り口が通常見られる鉄地の作に比べて鋭く見事な作域を示している。真鍮地の作品は現存作が非常に少なく、まさに大珍品である。