世界中の刀剣・刀装具・甲冑・武具の愛好家が注目する第二十六回「大刀剣市」が十月二十五日から二十七日までの三日間、東京新橋の東京美術倶楽部で開催されました。
今回は、北は北海道札幌市から南は九州熊本市まで、全国各地から七十四店舗の組合員が出店され、また公益財団法人日本美術刀剣保存協会の第一回全国大会が京王プラザホテルで行われる相乗効果も相まって、かなりの来場者数が予想されました。天気予報では中日二十六日の台風直撃も危惧されましたが、それでも三日間で約三千人のお客さまが来場されました。
大刀剣市は、理事はもちろんのこと、組合員の中から理事長名で優秀な実行委員が委嘱され、実行委員会を立ち上げます。
七月初旬、産経新聞社・フジサンケイビジネスアイ両社への後援依頼から始まり、カタログに掲載するための商品集荷・撮影、ブース割付けやカタログ編集作業、また海外からのお客さまのための英文解説作成、広報活動など、さまざまな準備をして、当日を迎えました。
同時開催の三階重文室における特別展では、NHKの大河ドラマ「八重の桜」にちなんで、「幕末を彩る刀工達」と題し、重文室担当役員が幕末期の名品優品を展示し、来場客から大好評を得ました。
また四階会場では、これも恒例となったが、全日本刀匠会所属の刀匠が銘切り実演や小品の展示を通してお客さまとの交流を図っていました。今後も現代刀匠の皆さまには来場者の要望に応えるイベントを企画していただけることと思います。
大刀剣市の目玉企画として人気の「我が家のお宝鑑定」は、今回「毎日午後から無料評価・鑑定・買い入れ相談を承ります」と広報したこともあり、三日間で延べ百組近い依頼がありました。お待ち願う時間が少々長い方もありましたが、理事が二人一組で必死で鑑定に当たり、すべての依頼に応えることができました。
四階には食堂スペースを用意し、今回からお弁当の種類を増やしましたが、初日はお弁当の数が足りず、ご迷惑をおかけしました。
産経新聞社が呼びかける、心臓病などの難病に苦しむ子供を救うための「明美ちゃん基金」には初回から協賛してきましたが、今回も出店者、組合員、ならびに内外からご来場くださったお客さまより善意を頂きました。十一月二十九日に産経新聞社を訪ね、浄財三十一万円を寄付してまいりました。
本年度はカタログを四千二百部発行しましたが、完売状態でした。日刀保の全国大会と時を同じくしたことと、アベノミクスがじわりじわりと効果を現し、またドル・ユーロ高が相まって相乗効果が生まれたことを感じた今回の大刀剣市でした。
私見であり、夢でもありますが、年に一日、日本刀の記念日があって、官民一体となって美術刀剣普及の活動ができる時代が来たらいいなと思います。
お客さまにとっても出店者にとってもより良い大刀剣市にするために、次回は出店者の事前顔合わせ説明会を開く予定です。また、出店者にはアンケートをお願いしましたが、結果を踏まえて、希望に添えるよう実行委員会一同、一層の努力をいたしてまいります。
なお、次回は十一月一日〜三日、同じく東京美術倶楽部で開催の予定です。組合員の皆さま、また「刀剣界」講読者の皆さま、本年も変わらぬご支援をお願い申し上げます。(「大刀剣市」実行委員長・清水儀孝)