刀剣界ニュース

所在不明の国宝・重文一八〇件に

国宝・重要文化財に指定された美術工芸品が所在不明となっている問題で、文化庁は一月二十一日、第二次調査を取りまとめた結果を発表した。それによると、全指定品一万五二四点の一・七%に当たる一八〇件が所在不明で、国宝九点を含む六八件はなお調査中としている。
 
文化庁は平成二十五年十一月、都道府県教育委員会に全件を対象とした初の所在調査を依頼し、昨年七月、第一次取りまとめとして一〇九件が所在不明だと公表した。
 
第二次調査は、都道府県域を越えて移動するなどして確認できなかった二三八件が対象。その結果、新たに七二件が所在不明と判明した。一件については、前回所在不明とされたが、購入した原所有者が名乗り出て、所在がわかった。
 
一八〇件が所在不明となった理由は、所有者の転居が六九件、死去四〇件、盗難三三件など。文化財保護法は、所有者や所在地の変更に際し、届け出を義務づけているが、これらはなされていない。
 
文化財の種別では、刀剣が八六件と最多である(別表)。これは、国指定文化財の中で、刀剣が国宝一二二件、重文七九〇件と群を抜いて多いこともあるが、文化庁では「個人愛好家が多く、所有者の没後、相続者が存在自体を忘れたり、法律を知らずに売却しているのではないか」とみている。
 
今後、引き続いて所在不明の文化財の追跡や、再発防止策を講じていくという。

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