刀剣界ニュース

新橋刀剣会熱海大会で上々の出来高

新橋刀剣会が発足してから丸三年が過ぎ、熱海大会も今年で二度目の開催となった。
 
新橋刀剣会の前身である築地会は大変歴史と格式のある会であったが、三年前に一度、度重なる事故により存続の危機を迎えた。会の立て直しのために新堀孝道氏が会長に就任し、会の名称も新たに再スタートを切ったことは皆さんの記憶にもまだ新しいのではないだろうか。
 
膨大なマイナスを背負ってのスタートは並大抵のことではなかったが、会長はじめ役員の方々の努力もあり、昨年は第一回大会を開催するまでになった。一時は会の行く末を案じた会員たちも、大いに胸をなで下ろしたことであろう。
 
そして十月十五日、第二回新橋刀剣会熱海大会が、既に定宿となったあたみ石亭で開催された。
 
新堀氏曰く、「みんなで仲良く、ワイワイ楽しくできたら最高じゃない!」。氏の人柄がよく表れており、そんな誠実な人柄に惹かれて役員はじめ皆で会を盛り上げているのではないだろうか。新橋刀剣会の大会のために、一年間かけて貯めた生ぶ荷をまとめて出す出品者などもおり、他の会とはまた一味違う良い雰囲気であるのも、氏の人柄のなせる技であろう。
 
会場の大広間は、開始時刻よりだいぶ前に荷物で足の踏み場がないほどとなり、朝十時、会長の挨拶から競りに入った。午前の成り行きから始まり、生ぶ荷もあって会場は大いに盛り上がりを見せた。昼食の石亭特製カレーは、刀剣会の大会でしか味わうことの出来ない名物料理である。差し入れの絶品卵との相性は素晴らしく、これも熱海大会の一つの楽しみとなっている。
 
午後も生ぶ荷の成り行きから始まり、重要刀剣や夢のある名品の入札もあり、盛り上がりを見せた会は、締めてみれば一億円という出来高を叩き出した。これは昨年を大きくクリアした数字であり、その背景には会長・役員をはじめ会員の方々の並々ならぬ努力と協力があることは明白である。
 
景気が上向いてきたとは言ってもなかなか商売での実感は薄い。
こんな時代だからこその結束の強さを、まざまざと感じた大会であった。
(大西芳生)

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