刀装具

菊水図鐔 銘 後藤光昌(花押)
Tsuba design of Chrysanthemum
Made by Gotou Teijo Mitsumasa

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀装具[N.B.T.H.K]Juyo Tousougu No.65

菊水図鐔 銘 後藤光昌(花押)Tsuba design of Chrysanthemum Made by Gotou Teijo Mitsumasa
  • NO.B164
  • 銘文:後藤光昌(花押)
  • Sign:Gotou Mitsumasa(Seal)
  • 時代:江戸時代 (1603-1673)
  • 価格:御売約 Sold Out

後藤家9代目、後藤程乗光昌、在銘鐔の重要刀装具指定作品。
程乗光昌は7代顕乗の次男で、慶長8年生まれ。寛永元年に父正継が剃髪して顕乗と号した時、後藤理兵衛家を相続し名を理兵衛光昌と改めた。22歳の時である。その後宗家の8代目即乗光重が若くしてなくなり、跡目の亀市(廉乗)が4歳と年若だった為、34歳の光昌が宗家の9代目を継承した。その後廉乗が18歳になり10代目を継承するとその後見人となり、また加賀前田家に覚乗と隔年交代で勤務し、加賀百万石の文化的発展に大きく貢献した。
本作は全体を鋤出彫にて波濤を彫り上げ、枝菊を散らした優雅で格調高い鐔である。後藤家では三所物の製作を主にし、鐔は特別な事情でのみ製作されたと云われて非常に希少であり、かつ鐔の作品で自身銘を切ったのはこの光昌から始まると云われている。光昌自身銘の鐔は古来、「後藤家十七代」などで紹介される宇治川先陣図鐔ただ一つと云われていたが、本作は二点目の発見で、菊花の色絵は実に丁寧で擦れもなく、しっとりとしてまさに濡れ色と称すべき極赤の地鉄は実に味わい深い、左右対象の櫃穴の形などは江戸時代の極初期に於ける特徴的な姿であり、今一つの鐔と共通の見所である。後藤家の中でも祐乗、光乗、顕乗の三人を後藤家三作の名人として称賛しており、特に加納夏雄は光昌の父、顕乗を後藤家中興の祖とし絶賛しているが、本作を経眼するに、後藤家の格調高い伝統を継承しつつも新たな作域に挑戦し、成功させた程乗もまた引けを取らぬ名人であるなと認識を新たにさせられる名鐔である。


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