- No.A809
- 銘文:吉原義人 二十七歳作之 昭和庚戌歳二月二十一日 記念濱野光蔵還暦
- Sign:Made by Yoshiwara Yoshindo A.D.1970 for longevity celebration
- 種別:刀 Katana
- 寸法:2尺4寸4分(74.2cm) 反り2.0cm 元幅 3.4cm 先幅 2.4cm 元重0.6cm
- 時代:現代ー(東京都)
- 価格:御売約 Sold Out
吉原義人刀匠は、昭和18年2月21日に生まれ、祖父に吉原国家(初代)氏、弟に吉原荘二国家(二代)氏、子に吉原義一氏がおり、まさに刀鍛冶の一族に生まれ吉原一門の名は刀剣界に名高いものとなっている。昭和47年より、新作名刀展において高松宮賞など上位の特賞を受賞し、昭和57年、無鑑査に認定される。平成16年、東京都指定無形文化財保持者に認定。その作風は備前伝を得意とし、備前伝の最も困難なテーマとされる映りを鮮やかに再現し、日本刀備前伝ブームの先駆けとなった。メトロポリタン美術館、ボストン美術館に作品が買い上げられる名誉に預かり、現在、世界各国の美術館から作刀のデモンストレーションの要請を受け、日本のみにとどまらず国際的な活躍をみせている。また、アメリカに鍛錬所を設けるなど刀剣文化の普及にも尽力している。持ち前の器用さと相俟って、彫技も巧みであり独特の龍、雨龍、白虎などを自身で彫っている。指導者としても、弟子に大野義光氏、久保善博氏ら多くの優秀な刀匠を育成する。長きに亘り常に刀剣界の第一線で活躍し、今後の活躍がますます期待される実力・人気ともに最高峰の刀匠である。
本作は、2尺4寸4分(74.2cm)の長寸にて、身幅広く、重ね厚く、腰反り程よくつき、大鋒に結ぶ美しい刀姿となり、地鉄は、小板目がつみ、地沸微塵に厚くつき、地景よく入る。刃文は、沸出来の互の目乱れを焼き、金筋・砂流しを盛んに交え、匂い口が明るい優れた出来映えをしめしている。吉原氏の達成した偉業の一つに二十四歳でのコンクール初出品から無鑑査認定までのその全てを入賞以上で飾った事が知られているが、まさに彼の若くして発芽させていた非凡なる才能を証明する一刀である。