鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Tousougu
- NO.B195
- 銘文:信家
- Sign:Nobuie
- 時代:桃山時代-尾張国(愛知県)
- 法量:6.8cm,6.2cm,0.4cm
- 価格:御売約 Sold Out
室町時代末期、金家と並び、鉄鐔の双璧と謳われる信家の特別保存刀装具指定作品。
鐔工「信家」は織田信長に仕えて、尾張国清州城下で鐔制作に励んだと云われている。信家は京都伏見の金家とともに鉄鐔の双璧を成し、ともに鐔を工芸品から芸術品にまで高めた名人である。絵風鐔を創始した金家に対し、信家は概ね厚手で量感に溢れ、鍛えが無類によく、各種図柄や神号、剣の極意や武士の思想などを毛彫で表した作品が残されている。拵の種別を問わず据えられた作品の品格を一格も二格も向上させてくれる同作はまさに鐔の王者というに相応しく、古来多くの武将や偉人達に好まれ名作の拵に用いられてきた。名の字体から「放れ銘」「太字銘」の二種類に大別され、太字銘信家は放れ銘信家と親子、あるいは兄弟の関係と考えられている。本作は「太字銘」の信家で「信家の木瓜形」とも言われる代表的な形である得意の木瓜形に鍛えの良い鉄地、力強い打ち返し耳、毛彫で波と花の図柄が繊細に描かれていて、同作の典型作の中でも美しい名品である。小倉惣右衛門ら編 「刀剣金工名作集 第六號 信家」(p.39)および 池田末松著「信家鐔」(p.11)に所載され、箱裏にある昭和九年七月二 十九日と記された札は売立時の書付と推測される。