鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣[N.B.T.H.K] Jyuyo Token No.24
- No.866
- 銘文:無銘(志津)
- Maker:Mumei(Shizu)
- 種別:短刀 Tanto and Shirasaya
- 寸法:9寸3分(28.4cm) 反り 0.3cm 元幅 2.8cm 元重0.3cm
- 時代:南北朝時代ー美濃国(岐阜県)
- 価格:¥8,800,000
- 鞘書:本間薫山
- 薫山日々抄所載
- ※2023年公益財団法人 日本美術刀剣保存協会 刀剣博物館 全国大会出品作
南北朝時代、美濃伝の開祖、兼氏に極められた作品。
本作は大磨上無銘の刀で、志津と鑑せられている。志津とは元来は美濃の地名であるが、この地に大和より正宗の門人兼氏が来住して鍛刀したことから、地名を取って志津三郎兼氏と呼称しており、兼氏の別称となっている。兼氏は正宗十哲と称される刀工の中では最も正宗に近似の作域を示していることで知られる名工である。
本作は大磨上ながら身幅広く、重ねの薄い典型的な南北朝期、延文、貞治頃の体配を示し、刃文、総体に沸出来の浅いのたれ刃に、所々激しく沸づき、二重、三重に輝く沸が煌めいて沸の叢消えを呈し、地鉄、板目肌立ちごころに細かな地景を交え、地沸厚くつくなど、相州伝上工の作風をよく示した優品でる。志津極めの作は多くが刀の極め物であり、短刀の同作極めは頗る貴重である。