刀装具

藤八 紋散透鐔
Tsuba Tohachi Monchirashi design

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具[N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Tousougu

藤八 紋散透鐔Tsuba Tohachi Monchirashi design
  • NO.B247
  • 無銘 藤八
  • 寸法:74.0mm 71.0mm 4.8mm
  • 時代:江戸時代
  • 価格:¥550,000
  • 鉄鐔 鉄の華展 出品作 作品集所載


春日(林)派は最も代表的な肥後金工として知られ、加藤清正に従って肥後に移住した初代又七により創始される。加藤家廃絶後に転封された細川家の抱え工となり、正保四年(1647)以降は春日村に住したことから、春日派と称される。家系は七代まで継承して繁栄した。その細美な地金・精巧な透・高尚な図取には君子の風趣があり、透鐔の中でも比類なき味があることから「鉄の華」とも呼ばれる。こうした作風は、尾張透に独特な工夫を加えたのが由来と考えられている。藤八は、二代重光の子として享保八年(1723)に生まれる。重光が没した延享元年(1744)に本家三代目を相続し、細川家藩工として十五石五人扶持を支給される。寛政三年(1791)に没した。三代藤ハは、祖父である又七に規能をとって林の作風を確立したと云われる。艶ある鯖色の精良な鉄地に優れた透しの技術で知られ、作品のほとんどが無銘であり、在銘作が3点のみ確認されている。
本作は茎孔下の隠し鏨跡から、林三代藤八の作とわかり、平成26年10月に刀剣博物館で開催された「鉄鐔-鉄の華」展に藤八の代表作として出展され、その作品集に所載されている(p.73)。その寸評には、「肉置きがよい紫錆の精良な地鉄、切台の形と茎櫃孔周りの鏨様から、林三代藤八の製作による鐔と極められる」とある。

Return Top