全刀商市場運営委員会は、平成二十五年一月より買い高制限額を改定し、従来の五百万円から二百五十万円に減額しました。
二百五十万円というのは与信枠の意味なので、二百五十万円を超える買い物のあるときは、超過分を当日現金決済すればよいわけです。
組合交換会取引の健全運営、組合員の与信枠については、かねてより議論されてきました。現金取引にする、交換会参加者は保証金を積む、連帯保証人制の導入、担保の設定、与信枠の引き下げ(買い高額の引き下げ)などの案が出たのですが、実施に至らないうちに昨年の多数の不払い事故発生と
いう事態になり、組合は相当な被害を被りました。
他の交換会市場でも同様に甚大な被害を受け、取引条件が厳しくなってきています。延べ払い月数が三カ月から二カ月へ短縮になり、買い高額も大幅に引き下げられています。東京美術倶楽部のような、相受け保証制度の採用の動きもあります。
個人会的な市場は会主が参加者を選別できますが、全国刀剣商業協同組合員は皆、組合法の下に平等であり、すべての組合員に交換会参加の門戸を開いていますので、買い高額の大幅減額にご理解を願う次第です。
(服部暁治)