第二十六回大刀剣市は、十月二十五〜二十七日の三日間、東京新橋の東京美術倶楽部で開催された。
今年は台風の連続発生により大刀剣市初日は、あいにくの雨模様。しかし、オープン前から多くのお客さまが並んでくださっていた。その大半が外国人というから驚き。昨年の大刀剣市のころは確か一ドル八十四円ぐらいだったので、今の一ドル九十七円、一ユーロ百三十四円というレートもあって世界各地から来訪されたのだろう。
私が応対したのはアメリカ・カナダ・ドイツ・イギリス・ロシア・オーストラリアからの方だったが、大刀剣市や、日本刀・武具甲冑、日本文化が今やグローバルな存在であることが素晴らしいと思う。
会場は連日多くのお客さまで賑わい、三日間の入場者は三千人を超えた。
二日目の午後からは天気にも恵まれ、この日から始まった公益財団法人日本美術刀剣保存協会の全国大会との相乗効果も期待され、怒濤のような三日間であった。今年の特別企画では「幕末を彩る刀工達」と題し、幕末の名刀が並べられた。多くのお客さまから「とても素晴らしい刀ばかりだ」「いつかは清麿の大小を持ってみたい」「烈公の実物の刀を見るのは初めてだ」などと賛嘆の声が寄せられ、大変好評だった。
恒例の「現代刀匠による銘切り実演」「我が家のお宝鑑定」も同時開催され、それぞれのコーナーも連日盛況だった。
全国各地から集った出店者の皆さまも、それぞれに競って名品を並べていた。私自身驚いたのは、熊本の阿雲亭さん。お国ものの肥後鐔はじめ圧巻だった。初出店のお店の一つは、京都の玉山名史刀さん。お父さんは岡山県で開業するが、京都は息子さんのお店。品良く陳列されており、則重や村正などが多くのお客さまの目を惹きつけていた。
本年も、難病に苦しむ子供たちのために産経新聞社が取り組んでいる「明美ちゃん基金」に大刀剣市も協賛し、会場に募金箱を設置した。出店者の方々や賛同してくださるご来場者から多くの浄財が寄せられたことに、心から感謝します。
三日間という短い期間だったが、盛大かつ安全に遂行することを目指して役員や組合員、スタッフの絶大な尽力があり、今年も無事に終えることができた。皆さん、大変お疲れさまでした。
来年も今年以上にご来場いただき、日本刀の魅力に触れ感動してもらえるよう日々精進し、刀剣界発展のため全力で頑張っていきたいと思っている。(新堀賀将)