新刀

長曽袮興里入道乕徹
(金象嵌)宮部孫八藤原義乕帯
Nagasone Akisato Nyudo Kotetsu
Owned by Miyabe Magohachi  Yoshitora

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣[N.B.T.H.K] Juyo Token No.64

長曽袮興里入道乕徹(金象嵌)宮部孫八藤原義乕帯Nagasone Akisato Nyudo KotetsuOwned by Miyabe Magohachi  Yoshitora
  • No.753
  • 銘文:長曽袮興里入道乕徹 (金象嵌)宮部孫八藤原義乕帯
  • Sign:Nagasone Akisato Nyudo Kotetsu owned by Miyabe Magohachi  Yoshitora
  • 種別:脇差 Wakizashi and Shirasaya
  • 寸法:1尺5寸(45.5cm)反り0.9cm 元幅 2.8cm 先幅 2.0cm 元重 0.7cm
  • 時代:江戸時代ー武蔵国(東京都)
  • 価格:御売約 Sold Out
  • 鞘書:葆光(神津伯)
  • 乕徹大鑑所載品

新刀東の横綱と称され、最高位の評価を与えられる長曽祢乕徹の重要刀剣指定作品。
長曽祢乕徹は元、越前の甲冑師であり、明暦2年頃江戸に出て刀鍛冶に転じ、その優れた鉄の鍛えから江戸を代表する名工と評価された刀工である。彼の作風は地鉄が強く、地刃が明るく冴えるのが特色で、その作刀の多くに焼き出しがあり、作風も前期には瓢箪刃と称される大小の互の目が繋がった刃を交え、後期には、焼きの出入りにあまり変化が見られず、頭の丸い互の目の連れた、いわゆる数珠刃と呼ばれる独特な乱れを焼いており、西の横綱、津田越前守助広、井上真改と並び、その技量は新刀中最高位に評価されている。
本作は身幅広めで、元作の幅差がややつき、反りが深めとなり、中鋒に詰んだ寛文新刀の典型的な姿に、鍛えは、小板目肌つみ、地沸が微塵に厚くつき、地形が細やかに入り、物打辺地斑状の肌合が交じり、刃文は元を直ぐに焼出し、その上は広直刃基調に互の目が連れて交じり、足が太くよく入った数珠刃となり、匂口が深く、湧厚くつき、地刃共に明るく冴えるなど、本工の典型的作風であり、同工の技倆が遺憾無く発揮された一口である。
なお、本作に象嵌された宮部義乕という人物に関しては詳らかではないが、近世には宮部孫八を名乗る人物として高崎藩家老で歌人の宮部義正(享保〜寛政)がおり、注文者銘を入れさせた他工の作品も数口残されていることから、同氏の別名、または縁者の可能性があると類推される。

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