古刀

八文字長義
Hachimonji Chogi

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 特別重要刀剣[N.B.T.H.K] Tokubetsu Jyuyo TokenNo.21

八文字長義Hachimonji Chogi
  • No.746
  • 銘文:無銘 長義 (号八文字長義)
  • Sign:Mumei Chogi (Hachimonji Chogi)
  • 種別:刀 Katana
  • 寸法:2尺5寸4分(78.4cm)反り1.9cm 元幅 3.2cm 先幅 2.6cm 元重0.7cm
  • 時代:南北朝時代ー備前国(岡山県)
  • 価格:御売約 Sold Out
  • 伝来:秋田佐竹家


八文字長義は永禄10年(1567)、小田原の北条氏政が大軍をひきい、常州新治西郡の下妻城主:多賀谷政経を襲った折、政経の援軍として出陣していた佐竹義重が、この刀をもって北条方の騎馬武者の頭上を一撃したところ、兜もろとも頭部を両断し、馬の左右に八文字形に分かれて落ちたという故事により名付けられたという。以後同家に連綿と伝えられ、大正6年、佐竹家を出て小泉三申氏の有に帰していたが、昭和9年、東京美術倶楽部で競売にかけられた。
長義は、一説に長船真長の後裔と伝え、相伝備前と呼称される南北長期の多くの備前鍛冶の中で、兼光と並んで傑れた技術を示す刀工である。現存する作刀の年紀は貞和より康暦に及んでおり、その作風には匂勝ちのものと、地刃の沸が強い物との両様があるが、殊に後者の作例は兼光以上に相州伝が強調され、ために、「備前刀の中で最も備前離れした刀工は長義也」と古来称されている。その刃文は兼光以上に出入りと変化の目立つ個性的なものが多く、鍛えも板目に地沸を厚く敷き、地景を交えるものである。同作は5振が国の重要文化財に指定されており、他にも名物「山姥切」をはじめ、その作品の多くが名物に名を連ねている。この刀は大磨上ながらも未だ長寸であり、身幅が一段と広く、元先の幅差はさまで目立たず、肉置きがよく、大鋒に詰んだ、豪壮な体配を呈しており、時代色が姿によく表れて誠に貫禄がある。鍛えは板目が肌立ち、地沸くが厚くついて地景が交じり、乱れ映りがたち、刃文は沸づいて大きく乱れ、刃中や刃境の働きが豊富で賑やかとなり、帽子も乱れ込んでよく掃きかけるなど、総体に放胆で迫力のある出来口を示し、正しく大名道具であると肯かせる長義の極めの優品である。

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