鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀装具[N.B.T.H.K]Juyo Tousougu No.64
- NO.B167
- 作者:林又七
- Maker:Hayashi Matashichi
- 時代:江戸時代 (18世紀)
- 価格:御売約 Sold Out
- 肥後金工大鑑所載
江戸時代隆盛を誇った肥後国林派の初祖、林又七の重要刀装具指定作品。
又七は慶長十八年(1613)に熊本に生まれ、清三郎重治と称した。先祖は尾張国の出身で元来は鉄砲鍛冶であったが、まま鐔も作っていたと伝えている。最初加藤清正に仕えて肥後熊本に移住し、加藤家が改易になってからは細川家に仕え、元禄十二年(1699)、八十九歳で亡くなっている。
本作は鍛えよく艶のある清涼な地鉄にて厚手のどっしりとした造り込みを示し、左右の透かしは鏨目を残して一気呵成、見事に打ち抜かれており同作の高度な技術を体現している。又七は通常同じ構図で幾つかの鐔が存在するが、本図は他に経眼がなくまさしく珍品である。肥後金工研究の大家、肥後金工大鑑に所載で「雲形透鐔」と紹介され、長崎伊太郎氏の所蔵であった。
※昭和三十九年東京国立博物館、刀剣博物館、肥後金工展出品
※昭和五十三年熊本県立美術館「肥後金工展」出品